私たちの声

『オリオン座』

10月初旬、北海道滝川市で小6少女がいじめにあって自殺するという新聞報道がありました。「私が死んだら読んでください」と書き残した少女が、自転車の荷台に使う紐を教室前方のスクリーンにかけ、そこに自らの体を吊るし、自らの命を絶ったのです。

彼女は7通の遺書を残していました。遺書の内容の一部には、「……みんなは私のことがきらいでしたか?きもちわるかったですか?私は、みんなに冷たくされているような気がしました。それは、とても悲しくて 苦しくて、たえられませんでした……」と書かれていました。

私は丹念に遺書を読み返しました。彼女の張り裂けるような心のつらさを強く感じました。悲しいとか苦しいとか楽しいような心の感情は、身体に比較的表現しやすいです。悲しければ自然と涙が出ます。楽しければ思わず表情が緩むでしょう。しかし、「つらさ」はなかなか理解するには難しい心の動きかもしれません。

私が小学校5年生の冬の時、確かお正月が過ぎてしばらく経った日だと思います。友達との遊びに夢中になって新聞配達の夕刊を配るのをうっかり忘れていました。新聞屋のおやじさんが「山田君、夕刊があるよ」と言って、家のドアを激しく叩きました。わたしはハッとしてすぐに家を飛び出し、新聞屋に向かいました。

丁度降りかけた雪が、だんだんと横殴りに降りつけてきました。凍える手で新聞を配達していると、私の顔に雪が吹き付けて、頬を流れ落ちるのに気が付きました。実は、雪だと思っていたのは、私の涙だったのです。私は思わずつらいと思いました。なぜこんなことをしなければならないのか。不条理性と理不尽さを感じました。ましてやこの気持ちは母親には絶対に言えないものでした。

私はこんなつらさを感じたとき、いつも冬空に遠く輝くオリオン座を思い出します。この星座の中の三つ星を見つけるのが簡単でした。私は誰にも言えない苦しみやつらさを知ってくれてるのは、オリオン座の三つ星だと思っていました。いつも必ず私自身を見守ってくれているものと信じていました。こうして自分自身の心の中に湧き起こったつらさを、私自身が壊れないように支えていたのです。

存在まで脅かされるいじめは、言葉では表すことはできない心のつらさだと感じます。彼女は7通の遺書を残しましたが、ひょっとしたらまだ私達の目には触れていない遺書があるのではないかと想像してみました。

(私の想像)8通目の遺書
私が死んだら、観音様になります。
ひょっとしたらオリオン座のベテルギウス星に行っていると思います。遠くでいつもみんなを見守っています。

8通目の遺書は私が彼女に断りもなく想像してみました。きっと彼女のこころのつらさが少しでも癒されるのであれば、と祈っています。

これからの予定

12月

17日(日)
13時半~16時
家族会(12月度)
21日(木)
18時半~20時